毎年10月は、全国社会保険労務士会連合会が定める「社会保険労務士制度推進月間」です。
社会保険労務士(社労士)の制度を多くの方に知っていただき、身近な相談先として活用していただくことを目的に、全国各地で無料相談会などが行われています。
社労士というと、「会社の手続きを代わりにする人」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、昨年(令和7年)の社労士法の改正で、社労士の「使命」が法律に明記され、その中に「個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成」という言葉が加わりました。
推進月間に合わせて、今回は、社労士がどのような専門家で、事業主と働く人のそれぞれが何を相談できるのかを、改めて整理します。
京都府社会保険労務士会の無料相談会
京都府社会保険労務士会では、推進月間の取り組みとして、京都府内6か所で無料相談会を開催します。予約は不要で、個人の方も企業の方も、直接相談会場で相談できます。相談の秘密は守られます。
時間は、各会場とも午前10時から午後4時までです。
| 日程 | 会場 | 所在地・アクセス |
|---|---|---|
| 10月12日(月) | バザールタウン綾部アスパ (2F アスパホール) | 綾部市綾中町花ノ木30 JR綾部駅北口から徒歩約8分 |
| 10月14日(水) | イオンモール北大路 (1階 北モール) | 京都市北区小山北上総町49-1 地下鉄烏丸線「北大路駅」真上 |
| 10月14日(水) | アル・プラザ城陽 (1階 プラムコート付近) | 城陽市富野荒見田112 JR奈良線「長池駅」から徒歩5分 |
| 10月16日(金) | ゼスト御池 (御池地下街 御幸町広場) | 京都市中京区河原町御池 地下1階 地下鉄東西線「京都市役所前駅」直結 |
| 10月27日(火) | イオン京都洛南ショッピングセンター (2階 しあわせ広場) | 京都市南区吉祥院御池町31 JR京都線「西大路駅」から徒歩8分 |
| 10月31日(土) | イオンモール京都五条 (3F イオンホール) | 京都市右京区西院追分町25-1 阪急「西院駅」から徒歩15分 |
会場では、社会保険の適用拡大、働き方改革、育児・介護休業、年金・健康保険、長時間労働、セクハラ・パワハラ、労災・雇用保険、退職・解雇、賃金、就業規則、各種助成金、DX化・電子申請、その他労務問題など、幅広いご相談に対応しています。
詳しくは、京都府社会保険労務士会のお知らせをご確認ください。
社労士法が改正されました
令和7年6月、社会保険労務士法の一部を改正する法律(第9次改正)が成立しました。
主な改正点は次のとおりです。
第1条が「目的」から「使命」へ
これまでの第1条は、「この法律は」で始まり、社労士の制度の目的を定める規定でした。改正後は、「社会保険労務士は」を主語とする、社労士一人ひとりの「使命」を定める規定になりました。
社会保険労務士は、労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施を通じて適切な労務管理の確立及び個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成に寄与することにより、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もつて豊かな国民生活及び活力ある経済社会の実現に資することを使命とする。 (社会保険労務士法第1条)
「適切な労務管理の確立」「個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成」「社会保障の向上及び増進」が、新たに明記された点が特徴です。
そのほかの主な改正点
- 労務監査の明記:法令や、労働協約・就業規則・労働契約が守られているかを監査することが、社労士の業務として明確に位置づけられました(第2条第1項第3号)。
- 補佐人の範囲の拡大:労働審判などの手続きでも、弁護士とともに補佐人として関われるようになりました(第2条の2、令和7年10月1日施行)。
- 名称使用の制限:社労士でない者が使ってはならない類似の名称として、「社労士」が法律に明記されました(第26条)。
社労士は誰のための専門家か
第1条には、改正前から「事業の健全な発達」と「労働者等の福祉の向上」の両方が掲げられていました。
今回の改正で「個人の尊厳」が加わったことで、社労士が会社のためだけの専門家ではないことが、より明確になりました。
また、社労士には「公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない」という職責が定められています(社会保険労務士法第1条の2)。
社労士は、会社の側に立って働く人と対立する専門家ではなく、法令に沿った職場づくりを通じて、会社と働く人の双方を支える専門家だといえます。
働く方が社労士に相談できること
働く方の立場からは、相談の内容に応じて、次のような窓口を利用できます。
| 相談したいこと | 主な窓口 |
|---|---|
| 労働条件や職場のトラブル (解雇、ハラスメント、賃金の不払いなど) | ・都道府県労働局・労働基準監督署内の「総合労働相談コーナー」(無料・予約不要) ・京都府社会保険労務士会の常設相談(会館内、予約制、毎週水曜日〈祝日を除く〉午前10時〜午後4時、無料) |
| 話し合いによる解決を図りたい | 各都道府県の社会保険労務士会が運営する労働紛争解決センター など |
| 年金の請求や見込み額 | 全国社会保険労務士会連合会が運営する「街角の年金相談センター」、年金事務所 |
| 年金や健康保険の給付 (障害年金、傷病手当金など) | 当事務所でもご相談を承っています(初回無料) |
推進月間中の無料相談会も、個人の方が利用できます。
これらの窓口の多くでも、社労士が相談や解決の支援に携わっています。
労働紛争解決センターや街角の年金相談センターは社労士会・連合会が運営しており、総合労働相談コーナーでも社労士が相談員を務めている場合があります。
「社労士に相談する」は、当事務所に限らず、こうした窓口を通じても実現できます。
当事務所では、障害年金の請求や、傷病手当金などの健康保険の給付について、個人の方からのご相談もお受けしています。
「受給できるか分からない」「手続きが複雑で進まない」という段階でもご相談ください。
事業主が社労士に頼めること
事業主の方が社労士に相談・依頼できることは、大きく次のように分けられます。当事務所のコラムとあわせてご覧ください。
- 社会保険・労働保険の手続き:入退社や算定基礎届、出産・育児休業に関する手続きなど(社会保険料はなぜ9月に変わる?、育児休業と社会保険の手続き【産前産後休業編】)
- 就業規則・諸規定の作成:会社のルールづくりと、法改正への対応(就業規則作成のススメ)
- 労務相談:ハラスメント対策や同一労働同一賃金など、職場の課題への対応(ハラスメント対策義務化)
- 給与計算:毎月の計算と、ミスを防ぐ体制づくり(給与計算の流れ)
- 助成金の申請サポート:制度の選び方から申請まで(おすすめ助成金15選)
- 労務効率化支援:勤怠管理の見直しなど、労務の仕組みのデジタル化
また、今回の改正で明記された「労務監査」は、就業規則や労働契約、日々の運用が法令どおりになっているかを、専門家の目で点検するものです。
「今の運用で問題がないか一度見てほしい」というご相談も、社労士の業務として法律上明確になりました。
こうした事業主への支援も、使命規定に照らせば、最終的には働く一人ひとりが安心して働ける職場をつくることにつながっています。
当事務所の取り組み
当事務所も、推進月間の活動として、10月31日にイオンモール京都五条で行われる無料相談会の会場で、啓発活動のお手伝いをする予定です。
また、近隣のハローワーク・労働基準監督署でも、推進月間の案内が掲出される予定です。
活動の様子は、後日この記事で紹介します。
まとめ
社労士法の改正で、社労士の使命は「手続きの専門家」にとどまらず、「個人の尊厳が保持された適正な労働環境の形成」に寄与することとして、法律に明記されました。
働く方にとっては、年金や健康保険の給付などを相談できる身近な専門家として。
事業主の方にとっては、手続きやルールづくり、労務の点検を任せられる専門家として。
推進月間をきっかけに、社労士を気軽に活用していただければと思います。
「こんなことを相談してよいのか分からない」という段階でも、推進月間の無料相談会や、当事務所の初回相談をご利用ください。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
本記事は執筆時点(令和8年度)の法令・公表資料に基づく情報です。制度の詳細・運用は今後の法改正等により変更される可能性があります。無料相談会の日程・会場は、京都府社会保険労務士会の公式サイトでご確認ください。


