日本の高齢化のいま・これから|(2026年)65歳以上が3,624万人で過去最高に

日本の高齢化のいま・これから|(2026年)65歳以上が3,624万人で過去最高に 行政発表・統計

2026年(令和8年)9月21日は敬老の日でした。
総務省統計局は毎年この時期に合わせて、日本の高齢者に関する統計をまとめて公表しています。

今年(2026年)9月20日に公表された最新データによると、
・65歳以上人口は3,624万人、
・総人口に占める割合は29.6%で、いずれも過去最高を更新しました。

約3.4人に1人が65歳以上という計算になります。
この割合は、比較可能な世界39か国の中でも最も高い水準です。
「日本は高齢化が進んでいる」という話は、これまで何度も耳にしてきたと思います。
ただ、毎年更新される数字を実際に眺めてみると、その進み方の速さをあらためて実感します。

なお、3,624万人という65歳以上人口のうち、75歳以上(いわゆる後期高齢者)は2,168万人を占めています。
65歳以上人口全体の6割近くがすでに75歳以上ということになり、「高齢者」とひとくくりにいっても、その内実はかなり幅のある層になっていることがうかがえます。

高齢者の就業状況

今回の発表でもうひとつ目を引いたのが、高齢者の就業状況です。
65歳以上の就業者数は943万人で、こちらも22年連続で増加し、過去最多を更新しました。
なお、男女の内訳を見ると、男性が542万人、女性が401万人となっています。

就業者総数に占める割合は13.8%で、これも過去最高です。
働く現役世代7人のうち1人は65歳以上、という計算になります。
もちろん、その働き方は現役時代とは違うものが中心です。65歳以上の就業者のうち、非正規雇用の割合は76.1%にのぼります。定年後の継続雇用や、パート・嘱託といった形で働き続けている方が多数派だということが、この数字からうかがえます。

年齢が上がっても、働き続ける人は増えている

65歳以上とひとくくりにされがちですが、年齢階級別の就業率を見ると、もう少し細かい実態が見えてきます。

年齢階級就業率
65〜69歳54.5%
70〜74歳36.2%
75歳以上12.6%
65歳以上(全体)26.0%

当然ながら、年齢が上がるほど就業率は下がっていきます。
ただし、いずれの年齢階級も前年から上昇し、過去最高を更新している点が印象的です。
70代前半でも3人に1人以上、75歳以上でも8人に1人が働いているという水準は、10年前と比べ4%ほど高くなっています。

国際的に見ても、日本の65歳以上就業率(26.0%)は主要国の中で高い水準です。
ちなみに、この10年間の伸び幅を比べると、日本が4.3ポイントの上昇であるのに対し、韓国は9.1ポイント上昇しており、日本以上のペースで高齢者就業が進んでいる国もあります。
高齢者就業の広がりは、日本に限った現象ではなく、先進国に共通する流れの一部だと捉えたほうがよさそうです。

どんな仕事で高齢者が活躍しているか

高齢者の就業者数を産業別に見ると、卸売業・小売業が131万人で最も多く、次いで医療・福祉が122万人、サービス業(他に分類されないもの)が108万人、農業・林業が88万人と続きます。
コンビニやスーパーなどの小売業でも高齢者の働き手を見かけることが増えてきました。
小売の現場や医療・介護の現場では、すでに高齢の働き手が欠かせない存在になっていることがうかがえます。

一方、それぞれの産業の就業者全体に占める高齢者の割合で見ると、様相が変わります。
農業・林業では就業者の50.6%が65歳以上で、産業の担い手の半数以上をすでに高齢者が占めています。
不動産業・物品賃貸業(29.0%)、サービス業(22.4%)も、他の産業に比べて高齢者の比率が高くなっています。

南丹市や京丹波町のような中山間地域で農業に携わる方々を見ていると、この農業・林業の数字は、統計上の数字以上に実感を伴うものがあります。
「高齢者を支える現役世代」という構図だけでなく、「高齢者自身が支える側として働き続ける」という構図が、すでに日本社会の一部として定着しつつあるのだと感じます。

この先、どうなっていくのか

現状の数字だけでも十分に大きな数字ですが、この傾向は今後さらに進むと見込まれています。
国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の将来推計人口」(令和5年推計)によると、2070年には次のような姿になると推計されています。
※死亡中位推計の数値をピックアップしています。

項目2020年2045年
(推計)
2070年
(推計)
総人口1億2,615万人1億880万人8,700万人
高齢化率
(65歳以上の割合)
28.6%36.3%38.7%
生産年齢人口
(15〜64歳)の割合
59.5%53.6%52.1%

2070年には、総人口が現在のおよそ7割にまで減少する一方、高齢化率は38.7%、つまり2.6人に1人が65歳以上になると見込まれています。
生産年齢人口の割合は52.1%まで下がる推計です。
今の子どもたちが働き盛りを迎える頃には、社会の姿はいまとはかなり違ったものになっていそうです。

もちろん、将来推計はあくまで一定の前提(出生・死亡の中位推計)に基づくものであり、実際の数字がそのとおりになるとは限りません。
とはいえ、方向性そのものが大きく変わる材料は、今のところ見当たらないというのが実感です。

社労士として、感じること

こうした数字を日々の相談業務と重ねてみると、高齢者雇用への向き合い方は、もはや「余裕のある会社が取り組む先進的な施策」ではなく、「人手を確保するうえで避けて通れない前提」になりつつあるように感じています。

中小企業の経営者の方も、「ベテラン従業員に長く働いてもらいたい」「定年後の継続雇用の仕組みを見直したい」といったお気持ちはあるのではないでしょうか?
背景には、こうした人口構造の変化があるのだと思います。

一方で、「高齢者雇用に関する法律上、具体的に何が義務で、何が努力義務なのか」を正確に把握できている事業主の方は、まだ多くない印象もあります。

次回は、法律の中身を整理します

高齢者に長く働いてもらう体制づくりを考えるにあたって、まず押さえておきたいのが「高年齢者雇用安定法」です。
次回のコラムでは、この法律が定める「65歳までの義務」と「70歳までの努力義務」の中身を整理して紹介します。

ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

本記事は執筆時点(令和8年度)の公表資料に基づく情報です。将来推計人口はあくまで一定の前提に基づく推計であり、実際の人口動態とは異なる可能性があります。最新情報は総務省統計局・国立社会保障人口問題研究所の公式サイトでご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。