「休日」と「休暇」の違いとは|法定休日の特定・振替休日と代休・年次有給休暇の基本

「休日」と「休暇」の違いとは|法定休日の特定・振替休日と代休・年次有給休暇の基本 働きやすい職場づくり

「休日」「休暇」「休業」。
どれも仕事を休む日のことですが、法律上の意味はそれぞれ違います。

この違いがあいまいなままだと、給与計算で割増賃金の計算を誤ったり、従業員とのトラブルにつながったりすることがあります。

この記事では、休みに関するルールを、次の順で整理します。

  1. 休日・休暇・休業の違い
  2. 法定休日と所定休日|あらかじめ特定しておく意味
  3. 振替休日と代休の違い
  4. 年次有給休暇の基本

休日・休暇・休業の違い

まず、3つの言葉を整理します。区別の軸は、「もともと働く義務がある日かどうか」です。

区分意味例
休日もともと労働義務がない日土日、祝日、年末年始
休暇労働義務のある日に、その義務が免除される日年次有給休暇、子の看護等休暇、介護休暇、慶弔休暇
休業まとまった期間、労働義務が免除されるもの産前産後休業、育児休業、介護休業

休日は、最初から働く義務がない日です。
一方、休暇と休業は、本来は働く義務がある日に、その義務が免除されるものです。

休暇と休業は、似ていても別の制度

特に混同しやすいのが、名前のよく似た休暇と休業です。
例えば、介護に関する制度には次の2つがあります。

  1. 介護休暇:対象家族の介護や世話のために、年5日(対象家族が2人以上なら年10日)まで、1日または時間単位で取得できます。
  2. 介護休業:対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます。

突発的な通院の付き添いなどに使うのが介護休暇、まとまった期間の体制づくりに使うのが介護休業、というイメージです。
どちらも育児・介護休業法に基づく制度で、申出があれば拒めません。

育児に関する制度も同じで、子の看護等休暇と育児休業は別のものです。
育児休業中の社会保険の手続きについては、「育児休業と社会保険の手続き【育児休業中編】」で解説しています。

法定休日と所定休日

休日は、法律上さらに2つに分かれます。

  1. 法定休日:労働基準法で与えることが義務づけられている休日です。毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上与える必要があります(労働基準法第35条)。
  2. 所定休日:法定休日以外に、会社が独自に定めた休日です。週休2日制の会社なら、土日のうち法定休日ではないほうが所定休日になります。

この2つを分ける理由は、割増賃金の率が違うからです。

区分割増賃金
法定休日の労働35%以上の割増
所定休日の労働休日労働の割増はなし。
ただし、その週の労働時間が40時間を超えた部分は、時間外労働として25%以上の割増

割増賃金の計算については、「給与計算でよくある間違い」でも解説しています。

なお、労働基準法第35条に記載されている、「4週間を通じて4日以上与える」は法改正の議論がなされています(令和8年10月時点)。
たとえば「最初の4週間の初日に4日休み、次の4週間の末日に4日休む」といった極端なシフトを組めば48日連続勤務であっても法違反とならない可能性があるためです。

法定休日は、あらかじめ特定しておく

法律上、どの曜日を法定休日にするかを特定することまでは、義務づけられていません。
厚生労働省の通達でも、特定することが「望ましい」とされているにとどまります。

ただし、実務では、就業規則で法定休日を特定しておくことをおすすめします。
理由は3つあります。

  1. 割増賃金の計算で迷わない。 特定していないと、土日の両方に出勤したときに、どちらが35%の割増になるのかの判断が必要になります。
  2. 従業員に説明できる。 「なぜこの日だけ割増率が高いのか」を、ルールとして示せます。
  3. 振替休日の手続きがしやすくなる。 後述のとおり、振替は「どの休日を、どの労働日と入れ替えるか」を事前に決める手続きです。法定休日が決まっていないと、4週4日の休日が確保されているかの確認も難しくなります。

就業規則には、「休日は、日曜日、土曜日および国民の祝日とする。このうち日曜日を法定休日とする。」のように定めます。

なお、この「法定休日を特定すること」を義務付ける法改正の議論も進められています。

週の起算日も決めておく

あわせて決めておきたいのが、週の起算日です。

法定休日は「毎週少なくとも1回」ですが、この「週」がいつ始まるかによって、休日が足りているかの判断が変わります。
就業規則などに定めがない場合は、日曜日から土曜日までの暦週として扱われます(厚生労働省の通達による)。

週の起算日は、次の2つの場面で効いてきます。

  1. 時間外労働の計算:週40時間を超えたかどうかは、週の区切りで判断します。
  2. 休日の振替:後述のとおり、同じ週の中で振り替えられれば、割増賃金が発生しません。

つまり、自社の繁忙の波に合わせて週の起算日を決めておくと、休日に出勤してもらう必要が生じたときに、同じ週の中で振り替えやすくなります。

例えば、土日が休みで、日曜日に出勤してもらうことが多い会社の場合を考えます。
週の起算日が日曜日だと、日曜日に出勤した分を同じ週で振り替えるには、出勤後の月曜日から土曜日のどこかを休みにすることになります。
一方、起算日が月曜日だと、日曜日は週の最終日です。同じ週で振り替えるには、出勤する前の月曜日から土曜日のどこかを休みにすることになります。つまり、前倒しで休んでもらう形になります。

日曜出勤が多く、休みを後で取ってもらう運用が主なら、起算日は日曜のほうが振り替えやすい、という結論になります。
どちらが自社に合うかは、業種や繁忙の波など休日出勤の発生しやすいタイミングによります。
週の起算日は就業規則で定められるので、一度確認してみてください。

振替休日と代休の違い

休日に出勤してもらったときの対応には、「休日の振替(振替休日)」と「代休」の2つがあります。
名前は似ていますが、割増賃金の扱いが変わります。
具体的には、代休は割増賃金の分だけ人件費が増えますが、振替休日なら増えないようにできます。

区分休日の振替(振替休日)代休
タイミング事前に、休日と労働日を入れ替える休日出勤後に、代わりの休みを与える
出勤日の扱い労働日になる休日労働のまま
法定休日に出勤した場合の割増休日労働の割増は不要
(ただし下記の注意点あり)
35%以上の割増が必要
代わりの休みの賃金その日は休日になるので、賃金は発生しない就業規則の定めによる
(無給とすることが多い)

休日の振替(振替休日)をするための要件

振替休日として認めてもらうには、次の3つが必要です。

  1. 就業規則に、休日を振り替えることがある旨を定めておくこと
  2. 振り替える日を、あらかじめ特定しておくこと
  3. 振り替えた後も、4週4日の休日が確保されていること

「とりあえず出勤してもらって、休みは後で取ってもらう」という運用は、振替ではなく代休です。35%以上の割増賃金が必要になります。

振替でも割増賃金が必要になる場合

ここが見落とされやすい点です。
休日の振替をしても、振り替えた先が別の週になると、出勤した週の労働時間が40時間を超えることがあります。
この超えた部分には、時間外労働として25%以上の割増賃金が必要です。

例えば、1日8時間、月曜日から金曜日まで勤務している会社で、日曜日に出勤してもらい、翌週の月曜日に振り替えた場合を考えます。
出勤した週は8時間×6日で48時間となり、40時間を超えた8時間分に割増賃金が発生します。

一方、同じ週の中で振り替えれば、その週の労働時間は40時間のままなので、割増賃金は発生しません。
前の項目で週の起算日に触れたのは、このためです。

代休を繰り返すと、人件費は確実に増えます。
振替を使えるように、就業規則の定めと週の起算日を整えておくことが、コストを抑えることにつながります。

法律で定められた休暇と、会社が定める休暇

休暇は、法律で定められたものと、会社が独自に定めるものに分かれます。

法定の休暇

労働基準法や育児・介護休業法などで定められた休暇です。
従業員から請求や申出があれば、会社は与えなければなりません。

休暇根拠
年次有給休暇労働基準法第39条
生理日の休暇同法第68条
子の看護等休暇育児・介護休業法第16条の2
介護休暇同法第16条の5

このうち、賃金の支払いが義務づけられているのは年次有給休暇だけです。
それ以外は、無給とすることもできます。
どちらにするかは、就業規則で定めておきます。

会社が定める休暇(特別休暇)

慶弔休暇、夏季休暇、リフレッシュ休暇などです。
法律上の義務ではないため、設けるかどうか、有給にするかどうかは、会社が決められます。

ただし、設けた場合は、休暇に関する事項として就業規則に記載する必要があります(労働基準法第89条第1号)。
取得できる日数、対象となる範囲、賃金の扱いを決めておきましょう。

年次有給休暇の基本

最後に、休暇の中心となる年次有給休暇を確認します。

発生する要件と日数

雇入れの日から6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員に、10日の年次有給休暇を与えます(労働基準法第39条第1項)。
その後は、1年ごとに次の日数を与えます。

継続勤務年数
6か月
1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

正社員だけでなく、パートやアルバイトも対象です。所定労働日数が少ない方は、日数が比例して少なくなります(比例付与)。シフト制で働く方の付与日数については、シフト制の年次有給休暇で解説します。

取得する時季

年次有給休暇は、原則として従業員が請求する時季に与えます(同条第5項)。
会社が時季を変更できるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます(時季変更権)。
単に「忙しいから」という理由では認められません。

年5日の取得義務

付与日数が10日以上の従業員については、そのうち5日を、基準日から1年以内に時季を定めて取得させる必要があります(同条第7項)。
従業員が自分で取得した日数や、計画的付与で取得した日数は、この5日から差し引けます。

あわせて、年次有給休暇管理簿の作成と、3年間の保存も必要です(労働基準法施行規則第24条の7)。

時効は2年

年次有給休暇の請求権は、2年で時効にかかります(労働基準法第115条)。
使われなかった分は、翌年度までは繰り越せますが、その先は消滅します。

就業規則で確認しておきたいこと

ここまでの内容をもとに、確認したい項目をまとめます。

  1. 法定休日を特定しているか(「休日」とまとめて書いているだけになっていないか)
  2. 週の起算日を定めているか
  3. 休日を振り替えることがある旨を定めているか
  4. 休暇の種類ごとに、有給か無給かを定めているか
  5. 年次有給休暇の基準日を、従業員ごとにするか、会社で統一するか
  6. 年次有給休暇管理簿を作成しているか

従業員が10人未満の事業所については、「従業員10人未満でも就業規則は作るべき?」もご覧ください。

まとめ

  1. 休日はもともと労働義務のない日、休暇と休業は労働義務が免除されるものです。
  2. 法定休日は特定が義務ではありませんが、割増賃金の計算と振替のために、就業規則で特定しておくことをおすすめします。
  3. 週の起算日の決め方によって、休日の振替がしやすくなります。
  4. 事前に振り替えれば休日労働になりませんが、代休では35%以上の割増賃金が必要です。
  5. 年次有給休暇は、年5日の取得義務と管理簿の作成が必要です。

就業規則の作成・見直しは、「就業規則作成」のページで、対応内容と報酬の目安をご紹介しています。
休日の定め方や振替の運用でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

本記事は執筆時点(令和8年10月)の公表資料に基づく情報です。制度の詳細は今後の法改正等により変更される可能性があります。