女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・届出や情報公表など、女性の活躍に関する取り組みが優良な事業主は、厚生労働大臣による「えるぼし認定」を受けることができます。
認定を受けると、認定マークを商品や広告、求人票等に表示でき、企業イメージの向上や人材確保にもつながります。
本コラムでは、えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の基準とメリットを整理してご紹介します。
女性活躍推進法の基本的な仕組みについては、女性活躍推進法とは?一般事業主行動計画の策定義務もあわせてご覧ください。
えるぼし認定とは
えるぼし認定は、一般事業主行動計画の策定・届出を行った事業主のうち、女性の活躍推進に関する状況等が優良な事業主として、都道府県労働局への申請により厚生労働大臣の認定を受けられる制度です。
認定の段階に応じて、認定マークのデザインが変わります(星の数が増えていくデザインです)。
5つの評価項目
えるぼし認定の基準は、次の5つの評価項目で構成されています。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
代表的な基準の例を項目ごとにご紹介します(いずれも複数の基準のうち代表的なものです)。
| 評価項目 | 基準の例 |
|---|---|
| 採用 | 以下のいずれかに該当すること ・男女別の採用における競争倍率(応募者数÷採用者数)が同程度であること ・直近の事業年度において正社員に占める女性労働者の割合、及び正社員の基幹的な雇用管理区分における女性労働者の割合が産業ごとの平均値(平均値が4割を超える場合は4割)以上であること |
| 継続就業 | 以下のいずれかに該当すること(雇用管理区分ごとに算出) ・「女性の平均勤続年数÷男性の平均勤続年数」が7割以上であること ・「女性の勤続雇用割合÷男性の継続雇用割合」が8割以上であること |
| 労働時間等の働き方 | 法定時間外労働・法定休日労働時間の合計の平均が、直近事業年度の各月ごとにすべて45時間未満であること(雇用管理区分ごとに算出) |
| 管理職比率 | 以下のいずれかに該当すること ・管理職に占める女性労働者の割合が、産業ごとの平均値以上であること ・「直近3事業年度の平均した1つ下位の職階から課⾧級に昇進した女性労働者の割合」÷「直近3事業年度の平均した1つ下位の職階から課⾧級に昇進した男性労働者の割合」が8割以上であること |
| 多様なキャリアコース | 直近3事業年度のうち、「女性の非正社員から正社員への転換」など決められた4項目のうち一定数の実績があること ※301人以上の事業主は2項目以上、300人以下の事業主は1項目以上 |
「雇用管理区分」とは、職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者の区分で、当該区分に属している労働者について他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいいます。
上記以外の代替基準(昇進率の男女比等)が用意されている場合があります。自社がどの基準を満たせそうか確認したい場合は、当事務所までご相談ください。
3段階の認定
5つの評価項目のうち、いくつの基準を満たしているかに応じて、認定は3段階に分かれます。
| 満たす評価項目数 | 認定段階 |
|---|---|
| 5つ(全て) | 3段階目(最上位) |
| 3〜4つ | 2段階目 |
| 1〜2つ | 1段階目 |
1段階目・2段階目の認定を受けるには、基準を満たさない項目について、事業主行動計画策定指針に定められた取組の中から関連する取組を実施し、その実施状況を「女性の活躍推進企業データベース」に公表したうえで、2年以上連続してその実績が改善している必要があります。
3段階目の認定を受けるには、5つの評価項目すべてを満たしたうえで、実績を毎年データベースに公表する必要があります。
なお、女性活躍推進法だけでなく、男女雇用機会均等法や労働基準法などに違反した場合は、認定が取り消される可能性がある点にもご留意ください。
プラチナえるぼし認定とは
えるぼし認定(3段階目)を取得した事業主のうち、さらに水準の高い取り組みを行っている事業主は、「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。主な要件は次の通りです。
- えるぼし認定の5つの評価項目の基準を、より高い水準ですべて満たしていること
※継続就業の目標値が1割増し、管理職比率の数値が産業ごとの平均値以上1.5倍など - 一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成していること
- 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること
- 女性活躍推進法に基づく情報公表項目のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表していること
プラチナえるぼし認定を受けた事業主は、一般事業主行動計画の策定・届出義務が免除されるという特典があります(ただし、状況把握・課題分析や情報公表の義務がなくなるわけではありません)。
令和8年度の改正では、プラチナえるぼし認定の要件に、職場におけるセクシュアルハラスメントの防止措置に関する取組の公表が新たに追加されています。
令和8年度新設:健康課題に着目した認定も
令和8年度の改正にあわせて、女性の健康上の特性への配慮に関する取り組みを評価する「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」という認定の枠組みも新設されています。
詳しい内容は、女性の健康上の特性への配慮とは?えるぼしプラス/プラチナえるぼしプラス創設をご覧ください。
認定を受けるメリットと認定数
認定のメリット
- 認定マークを商品、広告、求人票、名刺等に表示でき、企業イメージの向上や採用活動での訴求材料になる
- 公共調達において、総合評価落札方式等の加点評価を受けられる場合がある
- 日本政策金融公庫による低利融資の対象となる場合がある
特に人材確保の面では、認定マークが「女性が長く活躍できる職場である」という客観的な証明として機能するため、採用競争力の向上に直結しやすいメリットだと言えます。
認定数(2026年(令和8年)7月末時点)
| 国内 | 京都府内 | |
|---|---|---|
| プラチナえるぼし | 119社 | 5社 |
| えるぼし(3段階目) | 3,046社 | 61社 |
| えるぼし(2段階目) | 1,440社 | 22社 |
| えるぼし(1段階目) | 25社 | 0社 |
2016年(平成28年)10月の認定開始から10年が経過し、現在は4,500社が認定されています。
認定企業一覧を確認すると、大手企業がえるぼし(1段階目)の認定されており、必ずしも大企業=プラチナえるぼし、えるぼし(3段階目)というわけでもありません。
申請の流れ
- 一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出る
- 行動計画に基づく取り組みを実施する
- えるぼし認定(またはプラチナえるぼし認定)の基準を満たしているか確認する
- 申請書類を準備し、本社の所在地を管轄する都道府県労働局に申請する
- 労働局による審査を経て、基準を満たしていれば認定
まとめ:まずは自社がどの段階を目指せるか確認を
えるぼし認定は、5つの評価項目のうちいくつを満たしているかによって3段階に分かれ、最上位の認定を経て、さらに水準の高いプラチナえるぼし認定を目指すという構造になっています。
認定は義務ではありませんが、採用力の向上や公共調達での優遇など、実務上のメリットも小さくありません。
「自社がどの段階の認定を目指せそうか診断してほしい」「行動計画の策定から認定取得まで一貫してサポートしてほしい」といったご相談は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。
本記事は執筆時点(令和8年度)の公表資料に基づく情報です。法令の内容は随時見直されることがあります。最新情報は厚生労働省公式サイトでご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。



